【染め物のさかんな新宿区】

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新宿区の神田川沿いや妙正寺川沿いには染め物の工房がたくさんあります。染色関連業は300件を超えています。なぜ新宿の地に染め物の工房がたくさんあるのでしょうか?それは江戸時代のはじめにさかのぼります。
全国から集まる大名や商人、また物流の中心となった江戸市街はその時代の流行の中心となりました。日本橋界隈には大呉服店が点在し、その流行がすぐに浅草や神田の染屋に注文されたそうです。明治時代に入ると、浅草や神田は繁華街となり、行き場を失った染屋は神田川をさかのぼり、早稲田や高田馬場あたりに大きな工場を建て、その後工房や関連業種が進出して染め物のまちとなったのです。そこで作られた染め物こそ、東京都の伝統工芸品の一つ「東京染小紋」なのです。
 この伝統的な工芸品『東京染小紋』との学習のつながりは、学習指導要領の第4学年の内容(5)「県内の特色ある地域の様子について…、県内の特色ある地域では、人々が協力し、特色あるまちづくりや観光などの産業の発展に努めていることを理解する」の学習にあてはまります。さらに詳しく読むと、伝統的な技術を生かした地場産業が盛んな地域を取り上げることとなっています。このようなことから、新宿区の染め物は4年生社会科のねらいと内容にあてはまる学習なのです。新宿区の染め物の工房や工場は、妙正寺川や神田川の川沿いに多くあることをお伝えしましたが、山手線を挟んで西側となる地域では、下落合・中井あたり、東側では高田馬場・早稲田・牛込あたりにあります。東京染小紋について詳しく知りたい方には『東京染めものがたり博物館』(富田染工芸)をお勧めします。染小紋の歴史、制作過程、着物のほかに、型紙を見ることができます。複雑な模様の型紙は見事なもので、職人の技と熱い思いが伝わります。さらに事前予約で体験もできます。私もハンカチほどの大きさの染小紋を作りました。(布に型紙を当て、染料の入った糊を塗ります。)
新宿という大都会にある、江戸時代から受け継がれた地場産業を学んでみてはいかがでしょうか。

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