校長室より9 自己有用感を育くむ2

私は、自己有用感について考えるとき、重松清著「ひこばえ」(朝日出版社)の一節を思い起こします。
 「あのひと、誰かになにかをお願いされたことって、もう、ずうっと、何年もなかったんじゃない?」
私もそう思う。誰からも頼りにされず、願いごとを託されず、だから、当然、誰からも  「ありがとう」と言われるこのない日々を、後藤さんは長年送ってきたのだ。
 「やり甲斐とか生き甲斐っていうのは、誰かに「ありがとう」と言われることなのかもしれないよな」
ご家庭でも、学校でも、「ありがとう」を伝えるチャンスはたくさんあります。手伝いや役割は「させる」ものではなく、家族や仲間のために力を子どもが力を発揮するチャンスと考えて、頼んだり用意したりしてはどうでしょうか。

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