校長室より(18)自ら学び取る子どもを育てる(その1)

子どもの学びは、全員が参加・活動することから考えます。
「理解している」「学んだことを使おうとしている」は、参加・活動した結果です。また、「問題行動がある/問題行動はない」ということには着目する必要がありません。そもそも参加・活動していれば、問題行動は起こしようがありません(参加・活動できないから、問題行動を起こしているのだと考えることもできます)。
 どのように「参加・活動」を促すかを考えるために、学びの基本形、私たちはどのように学ぶのかを考えてみましょう。
 「跳び箱、鉄棒、水泳」「絵画、工作、習字」などがイメージしやすいかもしれません。モデル(お手本)を見せて説明や指示をし、学ばせる、見習わせます。これが学びの基本形です。山本五十六の有名な言葉は、このことを端的に示しています。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ

 したがって、「全員が参加・活動する」ための第一歩は、モデルとなる子どもをより多く、より高く育て学級の質を上げることです。モデルとなる子どもはスキルが高く、行動も変化しやすいうえに、時々「ありがとう」「助かるよ」と声をかけるだけで張り切ります。戦略として、モデルとなる子どもを重点的に育てましょう。
 その上で、授業では、まず学級全体に働きかけます。次に、参加・活動している子ども(一歩リードしている子ども)をモデルに、十分にできていない子ども、困っている子どもに働きかけます。そして、多くの参加・活動している子ども(半歩リードしている子ども)をモデルに、困っている子どもに働きかけます。
 課題理解や指示理解のチャンスが多いほど、困っている子どもは、参加・活動しやすくなります(指導が容易になります)。
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31