6年部会研究授業「江戸幕府と政治の安定」(2021.10.26実施)[3]〜研究協議会〜

藤井実践後に、研究協議会を行いました。
〈6年部会提案〉
研究内容(1)主体的に問いを追究する工夫
 1 問いの連続性や構造化
   単元内における問いの連続性や単元相互における問いの関連性
   ※問いの主語を、毎時間「江戸幕府は」にそろえた
  2 問いが生まれる社会事象との出会いの工夫
   ※江戸の町の発展、長期の安定政権、争いの数の少なさ
研究内容(2)見方・考え方が働く学習活動の工夫 
 1 比較・分類・統合したり総合したり国民(地域)の生活と関連付けて考える学習の工夫
   ※比較…江戸の街の変化、他の武士政権との政権維持の期間や争いの発生数
   ※分類…江戸幕府の政策を「町づくり」「大名への決まり」「民への決まり」「外交」
   ※関連…政権の安定と江戸幕府の様々な政策を関連付けた図
2 対話を通して多角的に考える学習活動の工夫
  ※調べる過程では、毎時間、江戸幕府の政策の意図を考え、話し合うことで、当時の様々な立場の人々への影響を考える。
研究内容(3)子供の学びを確かにする評価の工夫
 1 学習の見通しと振り返りの工夫
   ノートやワークシートの書かせ方、見取る場面の設定
   ※学習の仕方について、「つかむ、調べる、まとめる」の過程それぞれで振り返りの場面を設定する。
※学習内容について、調べる段階では毎時間、学習内容と学習問題の解決についてのつながりを振り返る場面を設定する。
 研究内容(4)教材開発や教材分析の視点
  1 時間的・空間的・相互関係的な視点から視野を広げる教材開発
    現在自分たちが生活する東京につながる歴史的事象の働き
   ※当時の江戸のまちづくりが、現在の東京の礎になっている。

協議会では、以下のような内容が話されました。
●学習問題から本時の内容「江戸のまちづくり」に問いを導かせるためにどのような取
組をしたのか。→年表を活用した。
●東京らしさを追求するのは良いが、「武士政権の安定の学習」であるべきなのに、東京都の学習になっている
●歴史学習を「自分とのつながり」「当時の人物に共感をもって考える」といった視点では、可能性を秘めている。
●歴史の学習では、資料が重要である。しかし、資料をもとに子供が推論したことが間違っているときは、正しく軌道修正できなくてはいけない。これには十分な教材研究が必要である。

 指導・講評では、白百合女子大学 教授 中田 正弘先生から、以下のような御指導を多数いただきました。
○6年部会の提案は、人物がどんな目的のためにどのような手法でその業績を行ったのかを学び、結果として行われたことを価値判断するという、人物や文化遺産を使って追体験を行うことにつながっていた。
○今の東京のまちづくりにつながる礎になったという学習は「あり」である。
○本時は「まちづくり」のイメージが、児童一人一人最後までバラバラであった。これは、「なんのため」と教師が問うたときに、よりどころを子供がもっていないためだ。
○本時は調べる段階の1時間目で良かったか。「江戸に大名の妻子が住むようになった。」→「一大消費地になって、商人や町人が増えた。」→「世界有数のまちになった」という江戸ができる過程を学んでからであるべきではなかったか。せめて大名統制・参勤交代が終わった後ではないか。
○資料は実証性、客観性、具体性が重要である。沼地に立つ家康のイメージ図と江戸図屏風の比較が妥当であったか。沼地に江戸城を建てたわけではない。
○協議会で教材研究の重要性は語られたが、亀戸、砂川など地名も調べれば、当時を忍ばれるものがある。
○令和5年の東京大会に向けては、主体性や一人一人というキーワードが取り上げられると考える。同じ資料を配付、全員10分考えるという流れも検討してほしい。
○子供が主体的に考えるための手立てとしては、「切実感のある教材」「見通しをもたせる」「ペア・グループでの話し合い」「タブレット端末等の活用」など研究がしっかりされている。目指す子供像も共有されている。しかしこの二つをつなぐ「教師の運用の場面」が授業では見られる。教師の運用能力がこれからは大事である。

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