6年部会研究授業「平和で豊かな暮らしを目指して」(2021.12.2実施)

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令和3年度6年部会の2回目の研究授業です。
八王子市立元八王子小学校で行われました。
授業者は、田口伸秀教諭です。
歴史学習最後の単元で、「つながる段階」の授業です。
本単元では、戦後のあゆみを日本国憲法制定や様々な改革ののちオリンピック・パラリンピックが開催できるまでに発展したことを調べ、日本が国際社会の中で重要な役割を果たすようになったことや、国民の努力によって復興することができたことを捉えました。
本時は、現在の日本は様々な問題が残っていることと、女性議員の割合や投票率が低いことから、「これからの日本の在り方」について考える学習です。
タブレットPCを効果的に活用して、資料を見たり、グループで話し合ったりしていました。
児童からは、「一部の人の意見ではみんなの政治にならないので、もっと投票率を上げたい」「歴史を繰り返してはいけない」「このままでは日本の評価が下がる」など大変意欲的な意見が出されていました。

6年部会研究授業「平和で豊かな暮らしを目指して」(2021.12.2実施)研究協議会

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授業後、研究協議会が行われました。
【6年部会提案】
(1)主体的に追究する問いの工夫
単元名における問いの連続性や単元相互における問いの関連性を図り、
現在の日本に残された課題を取り上げることで、これからの日本の在り方を考える展開にしました。そのため、問いが生まれる社会的事象との出合わせ方を工夫しました。
(2)社会的事象の見方・考え方を働かせる学習j活動の工夫
タブレットPCを活用して対話を工夫しました。
グーグルスライドの共同編集機能を活用した話し合い活動を行いました。
(3)子供の学びを確かにする評価の工夫
学習内容を振り返るため、調べる過程では毎時間、学習内容をスライドにまとめました。
そのスライドを振り返りながら自分の考えをまとめ、教師は価値づけたり、個別に声をかけたりすることで指導に生かしました。
【研究協議】
研究協議会では、以下のような内容の意見交換がなされました。
・児童がとても意欲的に学習に参加していた。
・タブレットPCが資料活用だけでなく、対話的な学習に有効だった。
・女性や高齢者の参政について多角的にとらえようとしていたが、自分事になっていたか。
・児童一人一人がスライドに書いた意見について話し合い、再構成する必要がある。
・今回は単元レベルで「これからの日本の在り方」を考えさせたが、「歴史を振り返らない」など歴史をマイナスでとらえているような児童の意見が多かった。
【指導講評】
これからの授業はユニバーサルデザインにすべき。難しい入り方は、特別支援が必要な児童など、ついていけない児童が出る。まず、視覚化するなど必要。その上で、児童の思いや考えを取り上げる。子供の疑問や問いが主体的な学習となる。知りたいこと、調べたいことを出さないで出された問いは先生の問いになる。
児童はよく考えていたので、一人の意見を「どの資料からどう考えたか」「その意見についてみんなはどう思うか」など先生が介入し、問い直しが必要。「日本の評価が下がる」といった児童の発言を取り上げて広げていくことが先生の出番だった。
歴史学習は、歴史上人物の一人一人の働きがあって学ぶ意味がある。歴史を学んで暗いイメージをもたせない。それは、5年生の農業や工業の学習も同じ。主権者教育なら、政治単元で行う方がいい。今年度は東京オリンピック・パラリンピックの年だったので、その成果や課題を取り上げていきたい。
その他、社会事象の見方・考え方について、「問い」と「めあて」「本時の課題」について、つながる段階について、ポストコロナの教育について、お話がありました。
最後に、都小社の研究推進に臨むこととして、主に、単元構造図の見直しについてのご指導をいただきました。



6年部会研究授業「江戸幕府と政治の安定」(2021.10.26実施)[3]〜研究協議会〜

藤井実践後に、研究協議会を行いました。
〈6年部会提案〉
研究内容(1)主体的に問いを追究する工夫
 1 問いの連続性や構造化
   単元内における問いの連続性や単元相互における問いの関連性
   ※問いの主語を、毎時間「江戸幕府は」にそろえた
  2 問いが生まれる社会事象との出会いの工夫
   ※江戸の町の発展、長期の安定政権、争いの数の少なさ
研究内容(2)見方・考え方が働く学習活動の工夫 
 1 比較・分類・統合したり総合したり国民(地域)の生活と関連付けて考える学習の工夫
   ※比較…江戸の街の変化、他の武士政権との政権維持の期間や争いの発生数
   ※分類…江戸幕府の政策を「町づくり」「大名への決まり」「民への決まり」「外交」
   ※関連…政権の安定と江戸幕府の様々な政策を関連付けた図
2 対話を通して多角的に考える学習活動の工夫
  ※調べる過程では、毎時間、江戸幕府の政策の意図を考え、話し合うことで、当時の様々な立場の人々への影響を考える。
研究内容(3)子供の学びを確かにする評価の工夫
 1 学習の見通しと振り返りの工夫
   ノートやワークシートの書かせ方、見取る場面の設定
   ※学習の仕方について、「つかむ、調べる、まとめる」の過程それぞれで振り返りの場面を設定する。
※学習内容について、調べる段階では毎時間、学習内容と学習問題の解決についてのつながりを振り返る場面を設定する。
 研究内容(4)教材開発や教材分析の視点
  1 時間的・空間的・相互関係的な視点から視野を広げる教材開発
    現在自分たちが生活する東京につながる歴史的事象の働き
   ※当時の江戸のまちづくりが、現在の東京の礎になっている。

協議会では、以下のような内容が話されました。
●学習問題から本時の内容「江戸のまちづくり」に問いを導かせるためにどのような取
組をしたのか。→年表を活用した。
●東京らしさを追求するのは良いが、「武士政権の安定の学習」であるべきなのに、東京都の学習になっている
●歴史学習を「自分とのつながり」「当時の人物に共感をもって考える」といった視点では、可能性を秘めている。
●歴史の学習では、資料が重要である。しかし、資料をもとに子供が推論したことが間違っているときは、正しく軌道修正できなくてはいけない。これには十分な教材研究が必要である。

 指導・講評では、白百合女子大学 教授 中田 正弘先生から、以下のような御指導を多数いただきました。
○6年部会の提案は、人物がどんな目的のためにどのような手法でその業績を行ったのかを学び、結果として行われたことを価値判断するという、人物や文化遺産を使って追体験を行うことにつながっていた。
○今の東京のまちづくりにつながる礎になったという学習は「あり」である。
○本時は「まちづくり」のイメージが、児童一人一人最後までバラバラであった。これは、「なんのため」と教師が問うたときに、よりどころを子供がもっていないためだ。
○本時は調べる段階の1時間目で良かったか。「江戸に大名の妻子が住むようになった。」→「一大消費地になって、商人や町人が増えた。」→「世界有数のまちになった」という江戸ができる過程を学んでからであるべきではなかったか。せめて大名統制・参勤交代が終わった後ではないか。
○資料は実証性、客観性、具体性が重要である。沼地に立つ家康のイメージ図と江戸図屏風の比較が妥当であったか。沼地に江戸城を建てたわけではない。
○協議会で教材研究の重要性は語られたが、亀戸、砂川など地名も調べれば、当時を忍ばれるものがある。
○令和5年の東京大会に向けては、主体性や一人一人というキーワードが取り上げられると考える。同じ資料を配付、全員10分考えるという流れも検討してほしい。
○子供が主体的に考えるための手立てとしては、「切実感のある教材」「見通しをもたせる」「ペア・グループでの話し合い」「タブレット端末等の活用」など研究がしっかりされている。目指す子供像も共有されている。しかしこの二つをつなぐ「教師の運用の場面」が授業では見られる。教師の運用能力がこれからは大事である。

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6年部会研究授業「江戸幕府と政治の安定」(2021.10.26実施)[2]

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本時は、「江戸幕府の始まり」の学習の多くが、大名配置や参勤交代、キリスト教の禁止や貿易統制、身分制度の定着などで行われていることを踏まえたうえで、「江戸のまちづくり」の教材化にチャレンジした実践でした。
なお、コロナ禍の中ながらも多くの方が興味をもち参観されました。そのため、体育館で授業を行うなど感染症対策が行われました。

6年部会研究授業「江戸幕府と政治の安定」(2021.10.26実施)[1]

令和3年10月26日に、6年部会の提案授業を世田谷区立烏山小学校で行い、藤井 祐太主任教諭が小単元「江戸幕府と政治の安定」(7時間扱い)について授業提案を行いました。
本時は第3時で、「調べる」段階の第1時でした。
子供たちは前時までの「つかむ」段階で、江戸に260年以上続く幕府を開いたことに興味をもちました。その後、「江戸幕府はどのようにして平和で長く続いた世の中を築くことができたのであろうか」という学習問題を立て、予想をし、簡易年表をもとに江戸幕府の政策から学習計画を立てました。
本時はそれを受けての1時間目、ねらいは、子供たちに「江戸幕府は江戸のまちづくりをどのように行ったのだろう」という問いをもたせ、江戸城築城の様子や江戸の整地の様子について調べさせることで、「幕府は大名に様々な仕事をさせ、江戸のまちを整え、発展の基礎を築いた」ことを理解させることでした。
 使われた資料は以下のものです。
利根川の変遷
江戸図屏風
江戸城築城と天下普請
江戸の整地と水路

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6年部会授業「世界に歩み出した日本」

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 「世界に歩み出した日本」町田市立南成瀬小学校 沼田 一臣主任教諭
令和2年11月12日

 6年部会、本年度2本目の授業です。体育館で黒板のかわりにプロジェクターで資料を映し出したり、ホワイトボードを活用したりして授業を展開しました。日本が世界にどのように認められていったのかを考える授業でしたが、事例に地域教材を上げたので子供たちは意欲的に取り組むことができました。今回は、町田を通っている横浜線が実は生糸の輸送に大きな役割を果たしたことを取り上げました。他にも町田で盛んに行われた自由民権運動の様子、地域に残る日清・日露の戦没慰霊碑、北里大学病院など 地域教材の開発を行いました。

6年部会授業「武士の世の中へ」

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「武士の世の中へ」 世田谷区立烏山北小学校 木村洋介 主任教諭 令和2年9月18日

 今年度より、政治を先に学習することをいかして、「政治(国の治め方)」という視点を大切にしながら、歴史を学習しています。今回の授業実践では、「この時代に登場した武士は、どのようにして政治をしたのだろうか」という学習問題について、調べました。調べたことを、まとめる時間では、関係図を活用しながらその時代の政治の特徴をキャプションでまとめ、交流しながら学習問題について解決していきました。交流を通して、子供たちの考えが多様になり、深まりました。
 講師の東京学芸大学教授の櫻井眞治先生からは、児童が関係図を交流する際の、説明する力の育成のポイントや単元の最後で学びを振り返ること、非認知能力の育成の大切さをご指導いただきました。

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