最新更新日:2024/05/19 | |
本日:68
昨日:365 総数:892960 |
砺波市立出町中学校
住所:〒939-1366 富山県砺波市表町18番29号 TEL:0763-33-2329 FAX:0763-33-2330 |
考える no.696
出中生のみんなは「粉屋の息子とロバ」の話を知っていますか?
(※ロバと親子、ロバを売りに行く親子、ろばうりおやこ 等、題名はいろいろあるようです) 粉屋と彼の息子が、隣町の市(いち)でロバを売るためにロバをひいていました 街角で集っていた女達が、それを見て笑います 「なんだい、あの親子は・・・ ロバに乗らずに、とぼとぼ歩いているよ」 粉屋はこれを聞き、息子をロバに乗せました しばらく行くと、街角で議論をしている老人達がいました 老人の一人が、ロバに乗った息子を見てあきれた顔をします 「あれを見ろ 最近の若者は年寄りを大切にしない 年老いた父親を歩かせて、怠け者の息子はロバに乗っているぞ」 粉屋はこれを聞き、息子をロバから下ろして自分がロバに乗りました またしばらく行くと、子連れの母親たちに会いました 母親の一人が、ロバに乗った父親を見て悲しい顔をします 「子が可哀想だ 小さな息子を歩かせて、あの親は自分がロバに乗って楽をしているよ」 粉屋はこれを聞き、息子を自分の後ろに乗せました またまたしばらく行くと、橋を修理している人達に出会いました その一人が、ロバに乗った親子を見て怪訝な顔をします 「ロバが可愛そうだ 二人に乗られた重みで、足が震えているぞ」 粉屋はそれを聞くと、親子でロバから降り、修理で余っている棒をもらってロバの脚をロープで束ねて棒にくくり、ロバを親子でかつぎました 「これなら、誰も文句は言わないだろう」 そして、粉屋と息子が橋を渡ろうとしたその時、棒につるされるのを嫌がったロバが暴れて、ロバと粉屋と息子は川に落ちてしまいます 粉屋と息子は川から何とかはい出ましたが、ロバを失って寂しく家に帰っていきましたとさ よくイソップ童話とされますが、もとはポッジョの『笑話集』に収録されていたもののようです ラ・フォンテーヌの寓話詩には「粉ひきとその息子とロバ(第3巻 第1話)」として収録されています これがスペイン語で書かれた1488年以降の『イソップ寓話集』に収録されます 日本では『伊曽保物語』下巻に「人の心の定まらぬ事」として掲載され、最後は「皮を剥いで軽くして持って行けばいい」という意見に親が従い、その結果ハエがたかって困り果てて捨てて帰ることになっており、すごい話です これらは、人の話を聴くなというお話ではないと思っています 経験上、人の話はよく聞くのが大切だと思っていますから 要は、自分が為すことをどのように決め、その言動にどう責任をもつかを考えさせられていると思っています また、「言論の自由」とやらで、何をやっても批判する人が誰か彼かいるということです 最近は特に、SNSやメディアで発信者の傲慢さを感じることが多いです ※わたしもその一人かも・・・ 要は、確実な事実と、信頼できる情報・経験則・助言を基に、自分が覚悟をもって決めることが大切だとわたしは考えます そしてその言動に自分なりの責任をもつのです ※「責任をもつ」とは何かは、また別の機会に・・・ 不確かな情報を「〜らしいよ」と、拡散しないことも大事です 能登半島地震では、良かれと思って拡散した情報は誤りで、その影響で捜索活動・救助活動に支障が出た事案が多く報告されています 特にネットにおいては情報ソースを確認するとか、別の方法でその情報が正しいのか確認するとか、十分に留意しなければなりません ネットの便利さによって悪影響なるものは、「早く」「広く」拡散すると感じます 「そんなつもりではなかった」は、加害者の口からよく出るセリフですが、知らず知らずのうちに自分が誰かを気付付けたり追い込んだりすることは不幸です もしそのことに気付いたなら、早めにやめて謝罪することです わたしもその一人かもしれないので、誰か気付いたらぜひ教えてください そんな人が身近にいることはありがたいことです また駄文長文となりました 昨年の「輝け!お寺の掲示板大賞2023(公益財団法人仏教伝道協会 主催)」で、「寺小屋ブッダ賞」を受賞した作品を紹介して、no.696の結びとします うわさ話は 賢(かしこ)き人のところで 止まる 照蓮寺(浄土真宗本願寺派・大分県日田市) |
|