式　辞

篠保呂の大梅が気品のある花を咲かせて、春の風を感じられる頃となりました
新型コロナウイルス感染症の流行による世界的な危機の中、第35回知多市立中部中学校の卒業式がまず挙行できることに安堵するとともに来賓・保護者の皆様、在校生の列席が叶わなかったことに誠に遺憾に思います

本来なら、知多市長　宮島　壽男様、知多市教育委員会　吹原　美香様　はじめ多数の中部中を愛するご来賓に華を添えていただく予定でありました。日頃、見に見えるあるいは見えない形でお世話になっている知多市・地域の皆さまに感謝の気持ちを伝える式でもあります。「感謝」です

卒業生の保護者の皆様もこの晴れ姿をご覧いただくはずでした。手を引かれ、真新しいランドセルを背にした９年前を思い起こせば心身ともに大きく成長しました。義務教育は修了です
誕生から15年の子育て、あなたの家族の苦楽が思い出されます。あなたの成長は、そのまま親としての尊い成長の記録でもあります。今日は、ぜひ声に出して、「今までありがとう」「これからもお願いします」を伝えてほしいと思います

１５４名の卒業生のみなさん、卒業おめでとう

平成の終わり令和の始まりの年。君たちの素直さ、君たちの明るさ。最高学年として、よく中部中をリードしてくれた。よい背中を後輩に見せてくれた。そして、よく伝統をつないでくれた。ありがとう

君たちが卒業する年の明るいニュースは、やはり、初の日本開催となったラグビーW杯。大躍進をした日本代表チームに日本中が大きく盛り上がりました
ベスト８となったその成長の萌芽は前回大会の2015年イングランド大会にありました。世界との実力差があり、強豪国に全く勝てない代表チームは、2012年エディ・ジョーンズをヘッドコーチに迎えます
彼がチームに示した戦略は“JAPAN WAY”でした。他国の真似をするのではなく、自分たちの強みを鍛えていく。彼は、スポーツ科学を活用して、選手にハードワークを課します。日本にしかできないスキル、戦術で賢く戦うチームになっていきました

あなたにもきっと”You Way”と呼べる生き方があります
他人の真似ではない、あなたが歩む道です。それがまだ見つからなくてもきっと見つかる。それまでは、自分を鍛えて、高めていくことが大切です
”You Way”は、多様性が尊重される時代をたくましく生き抜く戦略の一つとなることでしょう。あなたの未来に期待しています



さあ、お別れです

君たちがそれぞれ残していく轍。それこそが私の楽しみであり希望となるのです
中部中学校は、君たちを応援し続けることを約束して、門出の言葉とします

おめでとう

令和２年３月３日

　　　知多市立中部中学校長
　　　　　　佐　藤　敏　弘